防衛省の合理的な説明がつかない、「国産兵器」と「米国製」のダブル購入
「国産ミサイル」と「米国製ミサイル」のダブル購入──。防衛省は来年度の概算要求で、同規模のミサイルを別々に2種類購入しようとしている。しかし、これこそ無駄なのではないか。
購入しようとしている国産ミサイルの一つは、AAM-4Bである。戦闘機から敵の航空機を攻撃するミサイルで24年度には160億円分を要求している。
そして米国製のAMRAAMとの並行導入となっている。すでに日本はF-35戦闘機用に採用しており、来年度は410億円分を要求している。
これは首をかしげる内容である。国産の性能は米国製には及ばない。たしかに以前は同等程度の性能であった。だが、登場後の改良回数は国産1回に対し、米国製は10回と大違いであり、現行型では射程や命中率、共同交戦能力で差がついている。
それに、国産AAM-4Bミサイルは、いずれ発射する戦闘機もなくなる。国産ミサイルはF-2とF-15戦闘機用だが、どちらの戦闘機も寿命延長は難しく退役は遠くない。つまりAAM-4Bを買っても長くは使えない。ミサイルは30年もつが、10年後には肝心の戦闘機がなくなり始める。