脱毛サロン「銀座カラー」倒産に利用者激怒! “先払いビジネス”への法規制はできるのか? 専門家の見解は

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「先払い」より「都度払い」を

 脱毛サロンなどの「先払い」はサービスを受けていなくても返金されないのか。民事訴訟に詳しい弁護士の山口宏氏が言う。

「エステサロンとの契約時に『先払い』を申し込んでも、クレジットカードからのサロンへの支払いを毎月の分割払いにしていた場合、サロンの事情でサービスが受けられなくなった時点で支払いを拒否できます(割賦販売法第30条の4)。ただし、カードでエステサロンに一括払いしてしまっていたら、サービスが受けられなくなってもカード会社への支払いは拒否できません。もともと、エステサロンに限らず『先払い』は、1回の値段を原価に比べてかなり高額に設定し、複数回まとめて払うと安く見えるように販売するケースが多い。つまり、まとめ払いの値段がお得なわけではないことが多い。商品のないサービスを受けるなら、やはりリスクのない『都度払い』がいいでしょう」

 SNSで指摘される「先払い」への法整備は現実的ではないという。

「『先払い』を導入している業界は脱毛サロンに限りません。多くの業界に影響を及ぼすので、リスクをカバーするための担保を取る方法を法制化するのは難しい。たとえば、不動産業界は業界団体が集めた資金から、トラブルがあった際の賠償ができる制度を設けています。エステ業界などの業界団体が、同様の制度を設けられるかは簡単なことではないでしょう」(山口宏弁護士)

 消費者が厳しい業界を見極めて、サービスを受けるなら自身でリスクヘッジするほかない。

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