「裏金って言うな!」自民党が幼稚な“言葉狩り”…岸田首相「定義は困難」でゴマカす無責任

公開日: 更新日:

 5日から全閣僚が出席する衆院予算委員会の質疑日程が入り、国会論戦は本格化。珍しく野党の足並みもそろい、裏金追及で攻勢を強めている。逆風が吹き荒れる中、火に油を注いでいるのが、岸田首相の反省ゼロの無責任発言。自民党も幼稚な言葉狩りに興じる始末で、この政権は今国会を乗り切れるのか。

 ◇  ◇  ◇

 立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党の国対委員長は、今国会で定期的に意見を交わす連絡協議会の設置を決定。裏金追及で事実上の「共闘」関係にある。

 野党4党は予算審議を始める前提条件として、自民側に全所属議員を対象とした派閥からの還流の不記載の有無を調べた「裏金議員リスト」の提出を要求。自民側も受け入れ、5日朝、暫定的リストを野党に提示した。野党側はリストの内容次第で審議拒否も辞さない構えを見せ、のっけから自民を大きく揺さぶっている。

 自民の国対サイドの苦労を知ってか知らずか、追及材料を与えまくっているのが、岸田首相だ。裏金問題を巡り、フザけた答弁を連発。今月2日の参院本会議の代表質問では裏金の定義を問われ、こう言ってのけた。

「文脈に応じて、意味、内容が異なってくる。一概に定義をお答えすることは困難」

 政治資金収支報告書という正式な帳簿に載っていなければ「裏金」だ。安倍政権時代の2019年、首相主催の「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたかが話題となった。質問主意書で「反社の定義」を問われると〈形態が多様で、時々の社会情勢に応じて変化し得るもので、あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難である〉とする答弁書を閣議決定。まさか、ここまで岸田首相も「アベ政治」のゴマカシ手法を踏襲するとは……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  2. 2

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 3

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  4. 4

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  5. 5

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  1. 6

    日中関係の悪化がもたらす「生活格差」…100均に並ぶ“Made in China商品”にもいずれ余波が

  2. 7

    飲食チェーンでは続々と国産米“離れ”が…消費者は「購入時に重視」が83%占めるも大きく乖離

  3. 8

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  4. 9

    「S&P500+ゴールド(金)への投資」が再注目! リスクを抑え収益を狙う“最強の組み合わせ”

  5. 10

    どうなる2025年の忘年会? インフル大流行、インバウンド、実施企業減で飲食店に“三重苦”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?