見直される新興国投資…労働人口増で見れば、期待はグローバルサウスへ

公開日: 更新日:

 新興国への投資が見直されつつある。先進国よりも高い経済成長が期待できる新興国への投資はリスクが高い代わりに、高いリターンが期待できる。ところが最近はそうとも言えないようだ。新興国24カ国を対象とした株価指数「MSCIエマージング・マーケット」の年換算リターンは過去3年で▲7.50%。対して「MSCIオール・カントリー」は6.12%と高成績。さらに「MSCIワールド」(先進国株式)は8.06%となっている。

 ひとつの理由として中国の株価低迷がある。前述のMSCIエマージング・マーケットの国別構成比率(1月末)を見ると中国が約25%で最も多く、同国経済の影響を受けやすい。MSCIも指数の構成銘柄の見直しで中国の比率を下げつつあるが、新興国投資に新たな考え方を採用する運用会社も登場している。

 ピクテ・ジャパンもそのひとつだ。同社が運用する「ピクテ・グローイング新興国株式ファンド」は労働人口が拡大する国に注目して、新興国株式に分散投資をする。労働人口が増加する国は生産活動が活発になるし、消費も拡大する。同社が過去20年の実質GDP成長率を検証したところ新興国の中で労働人口が増加した国の実質GDP成長率は4.3%だった。対して減少国は1.6%だったという。労働人口の増加を基準に投資先を選定すると中国、台湾韓国は投資対象とならない。1月末時点の国別構成比は、インド約21%、ブラジル約19%、メキシコ約15%となっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  4. 4

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  5. 5

    timelesz篠塚大輝“炎上”より深刻な佐藤勝利の豹変…《ケンティとマリウス戻ってきて》とファン懇願

  1. 6

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  3. 8

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  4. 9

    波瑠のゴールインだけじゃない? 年末年始スクープもしくは結婚発表が予想される大注目ビッグカップル7組総ざらい!

  5. 10

    アヤックス冨安健洋はJISSでのリハビリが奏功 「ガラスの下半身」返上し目指すはW杯優勝