著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

「ゴジラは宝」で米アカデミー賞受賞! 東宝・松岡宏泰社長の“知的財産戦略”が結実

公開日: 更新日:

 東宝は子会社45社、関連会社9社(うち連結子会社35社、持ち分法適用関連会社2社)を持つ巨大グループだが、連結売上高の6割強を映画事業(劇場用映画の製作配給・興行・映像ソフトなどの制作販売)が叩き出しており、23年2月期の事業営業収入は前期比9.1%増の1580億1500万円と好調を維持している。  

 松岡社長は就任に合わせて「TOHO VISION2032 東宝グループ経営戦略」を策定、「ゴジラを『知的財産(IP)の宝』と位置付け、一度は手放した海外での商品権を取り戻し、自らグッズ販売や宣伝、配給をできるように体制を整備した」(メガバンク幹部)という。「ゴジラ-1.0」のアカデミー賞受賞で、東宝の海外戦略に弾みがつくことは間違いない。

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