トヨタ会長「不正撲滅は無理」の波紋…株価下落の背景に「日本のものづくり」への疑問や不信

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 ある省の幹部は「子会社やグループの日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機で不正が相次いで、豊田会長はグループに厳しく調査を指示し、引き締めを図っていたなかでトヨタ自体にまで不正が判明し、衝撃が大きかったのだろう」とみていたね。

 不正の判明後、トヨタなどの株価が下落したな。

 それは、不正そのものへ投資家が幻滅したというより、「日本のものづくり」への疑問や不信が強まったからのような気がする。トヨタなど日本企業が誇ってきた「カイゼン」など生産現場の圧倒的な力が新興国の追い上げで差が縮まって、もう余裕がなくなっているから不正へ走ったと言えないかね。

 霞が関の官僚に出た懸念も、そこに集約される。

 永田町はそこまでではないが、長らく成長戦略を軌道に乗せられていない政治にも責任があるな。

(構成=竜孝裕/ジャーナリスト)

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