「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ

公開日: 更新日:

3人の子供たちを残して突然旅立った夫

「スカイフーズにグループの仲間入りしていただいたのは、九州で製造販売している弊社が災害時の生産拠点の確保を目的としたBCP(事業継続計画)によるものでした。その前年に佐賀県で起こった豪雨で本社工場付近が浸水したことがきっかけでした。

 ここ数年は埼玉の工場を夫に任せていて、佐賀には月1、2回、週末に戻ってくるという生活でした。亡くなった時も夫は金曜日に佐賀に戻ってきて、土曜の朝から会社に出勤しました。その日は子どもの中学受験が終わった日でもあったので、夜は家族で久しぶりに外食をして、みんなでベッドで川の字になって就寝しました」(竹下真由さん)

 異変が起こったのは、明け方のこと。突然「ズドン」という大きな音がしたので、びっくりして飛び起きるとベッドから落ちた雅崇さんが大イビキをかいていた。その後、雅崇さんは目を覚ましてトイレに向かったものの、なかなか戻ってこない。様子を見に行った長女が「パパが倒れている」と叫び声をあげたため、慌てて駆け寄ると雅崇さんはトイレで倒れ込んでいたという。

 救急搬送された雅崇さんの心肺は蘇生したものの、くも膜下出血で危険な状態で、さらにコロナ陽性が判明。意識がないまま、倒れてから3日後に亡くなった。病室に入ることができなかった子供たちは、救急処置室で最後のお別れとなってしまった。

 3人の子育て中でもある真由さんは悲しみに暮れる暇もなく、創業以来のピンチにどう向き合い、乗り越えようとしているのか。夫の死からおよそ半年、初めて心境を語ってくれた。
 
(取材・文=西郡幸子/ライター)

  ◇  ◇  ◇

 働き盛りの夫・雅崇さんだけでなく、父・敏昭さんまで立て続けに失った“ブラックモンブラン”竹下製菓の5代目社長、竹下真由さん。直面した最大の危機と、夫が最後に遺してくれたものとは――。

 ●関連記事【後編を読む】くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白…で、真由さんがインタビューに応じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた