著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

アリナミン製薬(下)本体の武田薬品工業はウェバー社長で本当に良かったのか?

公開日: 更新日:

 ウェバーの社長就任にあたっては武田の創業家の関係者などが反対同盟を結成して反対した。240年の歴史を持つ老舗製薬会社に外国人社長が登場した衝撃はすさまじかった。15年、最高経営責任者(CEO)になり、ワンマン体制を確立した。

 シャイアーの買収で、世界の製薬ランキングで13位。現在、売上高の9割は海外であり、社員の9割が外国人である。とうの昔に実態は日本の会社でなくなっている。

 残念ながら、利益率は低い。20~24年3月期の平均ROEは4.02%(日経QUICK・ファクトセット調べ)。24年同期のそれは2.11%と、さらに悪化した。

 ウェバー帝国も10年が経ち、随所にほころびが見え始めた。

 利益とウェバーをはじめとする外国人役員の役員報酬が釣り合っていないとの批判が根強い。

 日経によると「武田と売上高が近い米イーライ・リリーや米アムジェンのトップの報酬は23年度で2000万ドル(約32億円)以上だが、純利益はリリーが52億ドル(約8300億円)、アムジェンは67億ドル(約1兆円)もある」。対する武田は1440億円に過ぎない。低すぎる。

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