セブン&アイHD(下)カナダ大手の買収提案に創業家はどう出るか
ヨーカ堂は創業家である伊藤家に大政奉還するわけだ。
伊藤一族の資産管理会社・伊藤興業はセブン&アイの株式を8.05%保有する筆頭株主。井阪社長が打ち出したのは、ヨーカ堂は切り離して伊藤家に渡す。一方、セブン-イレブンはセブン&アイに残すというバーター取引だ。
その隙にカナダのコンビニ大手クシュタールが買収を提案して割って入ってきた。株式市場では、プレミアムへの期待から株価が上昇した。しかし、セブン&アイが政府に対して、外国為替及び外国貿易法(外為法)において、最も厳しいコア業種分類への格上げを申請したとの報道が伝わると株価は反落した。
クシュタールによる買収は縷々述べてきたとおり、ハードルが極めて高い。
当面はヨーカ堂を切り離した中間持ち株会社を上場にこぎつけることができるかが注目点になる。
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