くら寿司は「再導入」発表で急騰→ストップ高に…株主優待が外食産業の株価を左右する裏事情

公開日: 更新日:

 何のこたあない、みんな“タダ飯”を食らいたいのだった。くら寿司の株価の急騰についてだ。

 くら寿司が昨年12月に廃止した株主優待の「再導入」を2月19日の16時30分に発表すると、夜間取引で株価が19%も急騰。翌20日はストップ高で値段がつかず、結局、19日の終値2590円だった株価は、21日には3220円でスタートし、3165円で終えた。日経新聞も珍しく、「くら寿司、市場もビッくらポン!」と冗談を交えて伝えた。

 同社は業績がマズかったわけではない。昨年12月11日に公表された24年10月期の決算は、連結で前年比11.1%アップの約2349億円、純利益は前年比4倍の約32億円。ところがこの日、同時に「100株以上の保有で、2500円~最大2万円」の割引券優待の廃止を発表したことが響いて、株価は急落。3865円だった株価は急転直下、翌12日には3255円まで下げ、このところは2600円あたりで低迷していた。

 別の見方をすれば、前売り券の販売不調で盛り上がらない万博の怨念ともいえる。優待廃止と同時に、それまで20円だった配当は40円にアップ。これを「万博記念配当」などと称していたからだ。同社は万博の開催に合わせて世界最大規模の店舗をオープンさせ、「回転ベルトは、世界を一つに。」などとうたい、万博には力を入れていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも