「資さんうどん」は王者・丸亀製麺の牙城を崩せるか? 東京進出の今期は21店舗出店へ

公開日: 更新日:

 業界トップの「丸亀製麺」も同じく00年に1号店を出店。出店ペースはより速く、11年に500店舗を達成。19年3月期に800店舗を超え、現在は国内で約830店舗に上る。

 はなまる・丸亀両社の動きを見ると、00年代から大手チェーンが勢力を伸ばしていたことが分かる。総務省によると99年における「そば・うどん店」の事業所数は約3万4500。21年には2万5000を下回っており、総数では減少し続けた。

「大手チェーンの台頭や不景気で個人経営や零細のうどん店は淘汰された。大手の方が低価格な上、客にとっても店に入りやすい。個人経営で残っているのは比較的大きい店舗」(製麺業者関係者)

 昔ながらの喫茶店は大手チェーンに淘汰されたが、同じ流れがうどん業界でも起きたというわけだ。

■三つ巴戦の行方は

 三つ巴となった業界で誰が勝者となるのか。前述の通りはなまるは店舗数を縮小したが、都市部や商業施設内が主な出店先であり、コロナ禍では商業施設の休業や時短営業の影響を受けた。一方の丸亀製麺はロードサイドを中心に勢力を拡大し、はなまるを抑えた。コロナ禍では立地が強みとなり、テイクアウト施策も好材料となった。丸亀を運営するトリドールHDは22年3月期以降、業績を伸ばした。

 資さんうどんの立地はロードサイドが主だ。昨年12月に出店した八千代店も幹線道路沿いだが、両国店は都市部であり、すかいらーくは都市部・郊外の両軸で出店を模索する構えだ。丸亀の牙城を崩せるか。

(ライター・山口伸)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  2. 2

    進次郎農相いきなり「作況指数」廃止のお粗末…“統計のブレ”は父・純一郎元首相の農水省リストラのツケが原因

  3. 3

    「業績連動型」は時代に合わない? ボーナスなくす大手企業の狙い…ソニーグループは4月から新報酬制度スタート

  4. 4

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  5. 5

    進次郎大臣は連日の視察とTV出演で大ハシャギ…ムチャぶりされる農水省は“ブラック企業化”のお気の毒

  1. 6

    経団連副会長退任の南場智子DeNA会長に政官財が熱視線も…まずは「社業専念」公言の潔さ

  2. 7

    もうひとつの国民食「みそ」の値段まで跳ね上がる…大豆高騰に加工用米不足が追い打ち

  3. 8

    書店生き残りの秘策は「滞在型」と独自路線…政府も活性化プランで支援

  4. 9

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  5. 10

    大阪万博は値下げ連発で赤字まっしぐら…今度は「駐車場料金」を割引、“後手後手対応”の根本原因とは

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?