牛丼大手3社は明暗クッキリ…圧勝「すき家」擁するゼンショーHDの強みは海外のすし事業
吉野家ホールディングス(HD)の業績回復が遅れている。コロナ禍の影響により売上高は20年2月期の2162億円から22年2月期には1536億円まで減少。今期は2030億円の予想で、以前の水準を下回る。
出店計画も進んでいない。国内の吉野家は今期約100店舗増を目標としていたが、今年1月末時点で30店舗増の1259店舗にとどまる。海外事業は円安の影響で増収だが人件費増により利益は縮小。一時500店舗を達成した「はなまるうどん」事業も、現在は418店舗まで減少した。
「吉野家はから揚げ丼も提供しているが、メニューの選択肢が他社より少ない。ラーメンやカルビ丼など新業態店を強化したが、どれも多店舗展開に至っていない」(外食業界誌の編集者)
期間限定メニューや豊富なトッピングが度々SNSで話題になる松屋、すき家と比較すれば、最近、吉野家の印象は薄い。
■松屋フーズHDはV字回復
ジョージア料理「シュクメルリ鍋」がヒットした松屋フーズHDは、21年3月期の売上高が944億円と、前年比で100億円以上減少した。だが、その後V字回復。24年3月期には以前の水準を上回り、今期は1495億円を見込む。