中野サンプラザ、TOC、北とぴあ…都内で建て替え計画が相次ぎ頓挫する理由

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 保留床処分金とは、分譲販売などから得られる将来の収入のことだ。野村は案を変更したが、前述の通り、区が白紙化した。

「中野サンプラザのレガシーを継ぐという名目で区は豪華にしたいのだろうが、用途が増えれば工事費はかさむ。昨今のコスト高で収益化できるのはタワマンしかない。低層階の商業施設やホールが足かせになっている」(不動産関係者)

 もはや大規模な複合ビルは難しいというわけだ。一方で23区内新築マンションの平均価格は1億円超えを推移しており、住宅需要は旺盛。

 建築費の高騰は他の再開発事業に待ったをかけている。70年に竣工した五反田の「TOCビル」は21年8月に建て替え計画を公表。事務所、店舗などからなる地上30階建ての新ビルを計画した。22年4月に都市計画が決定し、24年3月に閉館した。

 だが、閉館からわずか9日後に大幅な延期を公表。工事着工は33年に延期、24年9月に旧ビルの営業を再開した。新ビルでは分譲レジデンシャル事業も検討するとしており、堅い住宅需要に頼らざるを得ないようだ。

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