中野サンプラザ、TOC、北とぴあ…都内で建て替え計画が相次ぎ頓挫する理由

公開日: 更新日:

 保留床処分金とは、分譲販売などから得られる将来の収入のことだ。野村は案を変更したが、前述の通り、区が白紙化した。

「中野サンプラザのレガシーを継ぐという名目で区は豪華にしたいのだろうが、用途が増えれば工事費はかさむ。昨今のコスト高で収益化できるのはタワマンしかない。低層階の商業施設やホールが足かせになっている」(不動産関係者)

 もはや大規模な複合ビルは難しいというわけだ。一方で23区内新築マンションの平均価格は1億円超えを推移しており、住宅需要は旺盛。

 建築費の高騰は他の再開発事業に待ったをかけている。70年に竣工した五反田の「TOCビル」は21年8月に建て替え計画を公表。事務所、店舗などからなる地上30階建ての新ビルを計画した。22年4月に都市計画が決定し、24年3月に閉館した。

 だが、閉館からわずか9日後に大幅な延期を公表。工事着工は33年に延期、24年9月に旧ビルの営業を再開した。新ビルでは分譲レジデンシャル事業も検討するとしており、堅い住宅需要に頼らざるを得ないようだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」