著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

トランプ関税で波乱含みの新年度…日本自動車業界の「下請けイジメ」が始まるのか?

公開日: 更新日:

 トランプ米政権は、4月3日から全ての輸入車に25%追加関税の徴収を開始した。自動車への25%関税は既存の関税に上乗せされ、トランプ氏は「恒久的な」措置だとした。さらに5月3日からエンジンなど自動車部品にも25%の追加関税を課す。

 日本の自動車メーカーが対米輸出を継続し、販売会社存続のためにはコストカットが必至。下請け企業へ「乾いた雑巾を絞る」と揶揄されるような値下げ要求も想定され、政府は中小部品メーカーへの支援を急ぐという。

■米国の労働組合は賞賛

 米国は日本の自動車輸出総額の約3割を占める重要市場。日本から対米輸出総額の約4分の1は自動車である。調査会社マークラインズの集計によると、2024年の日本から米国への年間輸出台数はトヨタ自動車55万台、SUBARU29万台、マツダ22万台、日産自動車15万台。マツダと三菱自は米国販売の大半を日本から輸出している。

 過去の日米自動車摩擦では、国内から人件費の安いアジアに工場移転し、さらにデトロイトに近い陸続きのカナダや人件費の安いメキシコから米国へ輸出した。だが、今回はその手は無意味に近く、米国外から米国への生産拠点移転を迫られ、国内産業の空洞化、雇用不安の契機となる可能性がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 2

    大阪万博GW集客伸びず…アテ外れた吉村府知事ゲッソリ?「素晴らしい」と自賛も表情に滲む疲れ

  3. 3

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ

  1. 6

    新浪剛史会長が同友会会見で“号砲”…フジテレビ「CM再開」に前のめり、サントリーにもお家事情

  2. 7

    大阪万博はやっぱり赤字?1日あたりの入場者は初日を超えられず…開幕1カ月のしょっぱすぎる収支報告

  3. 8

    石破首相「自動車関税」で敗北不可避…米英が先行交渉「低関税枠」で合意の衝撃

  4. 9

    庶民生活に忍び寄る“円安地獄”の足音…トランプ関税に翻弄され再び「1ドル=150円」も視野に

  5. 10

    急増する大手黒字企業リストラのシビアな背景…2024年「早期・希望退職」1万人超え、前年比3倍に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 2

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  1. 6

    田中圭が永野芽郁と密会していた“妻公認”の仕事部屋…警戒感緩むもバレやすい不倫の痕跡

  2. 7

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  3. 8

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  4. 9

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  5. 10

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから