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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

なんと年間販売100万台超!世界で最も売れるトヨタ車が磐石フルチェンジ 6代目RAV4が強すぎる

公開日: 更新日:

トヨタ RAV4

 世界で一番売れるトヨタ車といえばかつては「カローラ」だった。1966年生まれのコンパクトカーで当初はセダンのみだが、次第にクーペやワゴンやハッチバック、最近ではSUVまで登場したマルチバリエーションカー。90年代には累計ギネス世界記録も作り、日本でも2002年にホンダフィットに年販トップを奪われるまでは33年連続1位だった。

 しかし今はSUVのRAV4だ。1994年生まれのニューウェイブで初代はキムタクがCMに出て話題に。しかし徐々にデカくなり、4代目は日本未導入で2019年に再び導入された先代5代目が世界中で大ヒット。特にメイン市場の北米と中国で売れ、2021年や22年は年間100万台超レベルで世界販売でカローラを抜いてトップ。23年に電動化の波でテスラモデルYに抜かれるまでは事実上のエンジン付き車で1位。しかもカローラとは違い、SUVボディのみで100万台を売り切るわけだ。

 かつてはコンパクトであることが世界一の条件だったが、今後はミドルサイズSUVであることが条件。それを万事満たしているのがRAV4なのだ。

ボディサイズはほぼ一緒でも中身は相当進化しているみたい

 その最新型6代目がついに先日21日にTOKYOで世界初公開! 国内発売は年内で、まずはスタイルやバリエーション、パワートレインの紹介のみに留まるが実力は本物だ。

 ボディサイズは旧型とほぼ変わらぬ全長×全幅×全高=4600×1855×1680mm(コア)で2690mmのホイールベースも同じ。ヘタに大きくすると世界的要求からズレて反発されることも予想され、骨格は一応旧型と同じ名前のGA-Kプラットフォームだが中身は相当ブラッシュアップされている模様。

 ボディタイプは3タイプ。一番大人しい見た目の都会派「コア」に、売れ線のワイドボディを纏うアウトドアテイストの「アドベンチャー」と走りに振った「GRスポーツ」。どれもグリルや前後バンパー、左右のフェンダー回りが微妙に異なる。

最も買いやすい2ℓガソリンは廃止される

 一方パワートレインで大きいのは、現状最も買いやすい2ℓガソリンが廃止されることで、国内のメインは2.5ℓハイブリッドと2.5ℓプラグインハイブリッド(PHEV)。EV仕様は当面出ないようだが、電動化は着実に進むようだ。

 中でも電動レベルの高いPHEVは駆動用電池が18.1kWhから22kWh強に拡大され、フル充電からの航続距離は現状の95kmから150kmに倍増。ボディサイズの大きいミディアムSUVで100km以上走れるならば使い勝手は良く、価格次第では売れるはず。

 加えてPHEVのシステム出力は現状の306psから320psにアップし、走りに特化したGRスポーツも登場。北米などで部分的にEVのテスラモデルYを食う部分もあるかもしれない。もちろん今後のトランプ関税に対し、カナダ産が多いといわれるトヨタ車がどう対応するかにもよるだろうが。

利便性と質感の高さをしっかり両立させている

 当然実用性も大きく配慮しており、室内は撥水シートなどが大きく使われ、モノ入れが多く、利便性と質感の高さを両立。特にラゲッジはリア席を倒した時の容量が、現状の733ℓから749ℓに拡大。ゴルフバッグは7セットも積めるようで相当広い。

 同時に車内インフォテイメントも12.3インチの大型ディスプレイを含め、トヨタがSDV(ソフトディファインドビークル)時代に対応するアリーンなる新世代ソフトウェアを初搭載。今後アップデートで進化する自動運転的機能への期待も高まる。

 販売を含めた詳細は次の取材を待ちたいが、トヨタの当面の未来を左右する新型RAV4。その電動化と知能化を含めたポテンシャルの高さに期待大だ。

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