恒大集団が8月25日で上場廃止…50兆円の負債が映す中国不動産バブルの終焉
不良債権総額は不動産セクター全体で150兆円超か
恒大の破綻は、単なる一企業の終焉ではない。中国経済を支えてきた「不動産依存型の成長モデル」が限界にきていることを象徴している。不動産業は中国GDP(国内総生産)の3割を占め、地方政府の財政も土地の売却益に支えられてきた。だが、投資先としての住宅はすでに飽和し、実需を伴わない開発は過剰債務を生む構造に変わった。恒大の転落は、そのゆがみがついに破裂した結果にほかならない。
一部報道によると、恒大集団の負債は約50兆円に達するとされる。これは、バブル崩壊後に日本が処理した不良債権総額約100兆円の半分を、1社だけで抱えた計算だ。専門家の見立てでは、不動産セクター全体で約150兆円を超える可能性があるという。
人知れず進む不動産価格の下落、管理されず放置されるマンションの増加……。中国経済の実態が見えにくいだけに、不安はしばらく続きそうだ。
(ニュースライター・小野悠史)