三井が住友と樹脂事業を統合…合併破談から22年も人脈はつながっていた
■石油化学業界の再編はまだ続く
政 三井化学と住友化学はかつて本体同士の統合を決めたのに、破談になったな?
財 22年前のことなのに、よく覚えていたな。両社は2000年11月にグローバルに戦える規模になろうと、統合を発表した。だが、事業の集約で歩み寄れず、社風の違いもあって03年4月に破談になった。
官 それでも縁が続いていたのか?
財 当時の合併協議へ加わっていたのが、いま三井化学会長の淡輪敏氏や住友化学で3月まで会長だった十倉雅和・前経団連会長だ。彼らは、その後も親しく付き合ってきた。破談になったとはいえ、両社の首脳らは統合のメリットが十分に分かっている。
政 なるほど、20年以上続く人脈が生きたというわけか?
財 そう思う。言い換えれば「現役の独走だ」と反対する有力OBもいない。
官 三菱ケミカルもエチレンで再編へ動いた。石化再編は、まだ続くな。
構成=竜孝裕(ジャーナリスト)