分配金遅延、償還延期でトラブル続出…「不動産クラファン」に投資する前にすべきこと
ほかにも今年、上場企業REVOLUTIONの子会社WeCapitalが運営する不動産クラファン「ヤマワケエステート」の一部のファンドで償還延期が発表され、問題が表面化。同ファンドはサッカー元日本代表の本田圭佑氏がオフィシャルアンバサダーを務めている。
■HPにはリスクが記載されているが…
17年の法改正でネットからの申し込みが可能になったことで急増した不動産クラファン。複数の不動産が組み入れられている上場REIT(不動産投資信託)と同じく少額から投資でき、元本割れや利回り低下などのリスクがあるが、償還期間があることから中途解約しづらく、流動性が低い点などが異なる。シリーズ成田も〈開発プロジェクトの中止、延期等により、元本及び利益分配金に影響が出る可能性があります〉などのリスクがHPに記載されている。
「そもそも物件が完成していない、テナントも入居していないような投資商品に資金を投じることはあってはならないと思います。利回り10%を超えてくると途端に怪しさが漂ってきますが、5、6%のREITがある中で7%という絶妙な線をついているところから飛びついてしまうのもわからなくはありません。運営会社の信用力もそうですが、どんな立地にどんな物件があるのかなど、投資の前に最低限、現地を訪れて自分の目で確認しておく必要があるように思います」(不動産アナリストの長谷川高氏)
健全に運営しているところも少なくない中、業界全体の信用性を失う事態といっていいだろう。