「久光製薬」がMBO発表 製薬業界では経済合理性の怪しい市場撤退が続く

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 現在の製薬業界を見ると、興味深い対比も浮かび上がる。売上高では武田薬品工業の約4.6兆円や大塚HDの約2.3兆円に劣るものの、売り上げは約1.2兆円ながら、時価総額では武田の約8.3兆円を大きく上回る約14.7兆円の中外製薬が「勝ち組」の筆頭だ。

 中外製薬は02年に世界最大の製薬会社であるスイスのロシュの実質傘下に入る道を選んだが、上場は維持。独自路線が市場から高い評価を得ている。

 対して、久光製薬が選んだのは市場からの「退場」だった。久光製薬側は、競争環境が厳しい中、研究開発に注力することがMBOの理由だとしている。同社は25年4月、今後の5年間で500億円以上の株主還元を行う方針を示していたが、上場を取りやめることで、その資金を研究開発などの事業投資に充てたいという理屈は通る。

 だが一方で、同社のMBOは創業家である中冨家の資産管理会社が全株式を買い取る形となっている。

“同族の血”を残したいという意図も見て取れ、必ずしも経済合理性だけが理由ではないだろう。

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