著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

日経新聞コラム「私の履歴書」で、伊藤忠の“ドン”岡藤正広会長の肝心なネタがスルーされた思惑

公開日: 更新日:

 新年から1カ月間、日本経済新聞の名物コラム「私の履歴書」に掲載された伊藤忠商事の“ドン”、岡藤正広会長CEOが話題をさらった。高校3年で結核に侵され、医師から「命の方が大事」と大学受験を諦めるよう促されたこと、30代になってイヴ・サンローランはじめファッション業界の大物たちを次々と口説き、日本に持ち込んだこと。その矢先、41歳で緊急入院を余儀なくされ、「このまま会社員人生が終わりなのか」と悲観した日々など、人生の機微がつづられている。

 しかし、「肝心なあのことが触れられていない」(大手商社幹部)と指摘されるテーマがある。岡藤氏が社長時代の2015年に6020億円を投資した中国中信集団(CITIC)との関係とその現在だ。

■当時の自己資本の4分の1に当たる巨額出資

 伊藤忠は2014年にタイの華人系財閥であるチャロン・ポカパン(CP)グループと資本提携した。そのCPグループと組んで2015年に決めたのが中国の国有コングロマリットであるCITICへの1兆2040億円規模の資本出資だった。2社による折半出資ということで伊藤忠の負担額は6020億円。当時の伊藤忠の自己資本の4分の1に当たる巨額出資だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー