せんべろの聖地=東京・立石の駅南北にタワマン3棟 失われたにぎわいは本当に取り戻せるのか
見通せないゴール
北口事業をめぐっては、区庁舎の移転に対して住民訴訟が提起されているものの、収束する公算が大きい。移転先のオフィス棟3階部分の評価額は、他の地権者が得た2階部分の2倍にあたる1平方メートル当たり98万円。不当に高く取得して区に7億円超の損害を与えたとして、24年4月に青木克徳区長が提訴された。しかし、1審、2審とも住民側が敗訴。今年3月に最高裁に上告した。早ければこの秋にも区切りがつくとみられている。
区が旗を振る再開発によって消滅した「せんべろの聖地」の原点は、終戦から間もない1954年にできた「立石デパート」。長屋に日用雑貨の店や園芸店、洋服店、飲食店などが軒を連ねるちょっとしたマーケットだった。高度経済成長期に入り、近隣の工場に労働者が集まるにしたがって盛り場に発展。売血で得た小銭を握りしめ、酒を求める姿もあった。そのあたりは、立石出身の漫画家・つげ忠男の作品「無頼平野」などにも描かれている。
再開発計画が浮上してから30年あまり。ゴールもにぎわい復活も見通せない。



















