三香堂 佐々木基之社長(1)創業100年を迎えた化粧品会社3代目の原点
「祖父はそこまで厳しくなかったんですが、全国の販売店を回ってたまに帰宅すると、創業の精神などを説かれました。同居していた親族も良かれと思ってあれこれ助言してくれるんですが、少しずつ言うことが違ったりして……母親が言うには私は小さい頃からおとなしくて、人目を気にする子だったそうです」
父が2代目社長で、自分は後継者。会長だった祖母にも敬語で接していたという。佐々木少年にとってはプレッシャーでしかない。
「小6の頃に胃痛に襲われて、母に連れられて近所のお医者さんに診てもらったら、胃に傷みたいなものがあると。『この子にこれ以上厳しくしたら胃潰瘍になる』と、母は言われたそうです」
たぶんストレス性だったのだろう。
「今となっては笑い話ですが、母からその話を聞いた父は『この子は経営者にはなれん』と思ったそうです(笑)」
漢方薬を飲みながら小学校に通い、時には自宅にあった大きな金庫の裏に隠れて泣くこともあった。小学校では園芸部という心優しき佐々木少年は、運動にはあまり自信がなかったそうだが、こんな思い出がある。


















