東京23区で広がる「定期借家契約」 住宅は「借りても住み続けられなくなる」フェーズに
日本の賃貸住宅市場で一般的な普通借家契約では、貸主が値上げを求めても、借り主が応じなければ最終的に調停や訴訟に持ち込むほかなく、費用も時間もかかるためだ。
この壁を、新規契約の段階から回避しやすくするのが定期借家契約(定借)である。定借ならば期間の満了によって契約はいったん終了し、入居者が住み続けるには再契約が必要になる。貸主はその際、市場相場を反映した新たな賃料を提示しやすい。もちろん条件が折り合わなければ、入居者は退去せざるを得ない。
物件検索サイト大手LIFULL HOME'sの調査によると、東京23区の賃貸マンションの募集物件に占める定期借家の割合は、2023年の5.9%から2025年には9.5%へ上昇した。まだ1割に満たないとはいえ、その活用はすでに広がり始めている。
賃貸市場に詳しいコンサルタントの南智仁氏は語る。
「定借の募集物件は急速に増えている。とくに法人が所有する都心のタワマンなどの高級物件や、ファミリー世帯向けの物件で顕著だ。少なくとも東京では、このまま定借がじわじわと広がり、業界標準になってもおかしくない」


















