「集団的自衛権」1日閣議決定 国民は黙って見過ごすのか?
やめろと言わないのは“許した”のと同意
安倍政権が1日、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を強行する意向を固めた。菅官房長官が会見で明らかにした。この日程も安倍首相の外遊優先。豪州に出発する前の4日までに決めてしまおうというハラで、こんな乱暴な発想で平和憲法のもとで徹してきた「専守防衛」の看板を外すなんてムチャクチャ。憲法学界の重鎮は「国民は恥辱を受けたままでいいのか」と怒りの声を上げている――。
■戦争屋の“手品”にはめられ恥辱を受けたままでいいのか
「メンバーの中では議論が熟してきた」
27日に行われた与党協議の後、自民党の高村副総裁がヌケヌケとこう言った。これまでに行った与党協議の回数はわずか10回。それも1回が2、3時間程度のもの。しかも、この数週間で論点はあちこちに飛び、収拾がつかない状態だった。
これには専門家の間からも、「手品を見せられているようだ」と戸惑いの声が出ている。憲法学者・小林節氏(慶大名誉教授)はこう言う。
「本来は、集団的自衛権の議論だったはずが、いつの間にか、『集団的』も『個別的』も区別できていない15事例の検討に移り、それが終了していない段階で、自衛権行使の新3要件の議論になった。さらにそれも決着しないうちに、国連軍や多国籍軍の戦争にも参加させろという集団安全保障の話にすり替わった。あまりに論点がコロコロ変わるので、多くの国民には理解できなかったはず。うっかりしていると、専門家である我々でさえ、これが憲法議論であったことさえ忘れるほどでした」