猛暑でも電力余り 安倍政権はなぜ「川内原発」再稼働させる?
世論の反対を無視して川内原発1号機が11日再稼働する。安倍首相は9日、「原発は何より安全を優先させる」と口にしたが、これを皮切りに全国で原発再稼働を推し進めるハラだ。
しかし、この異常な猛暑でも電力は余っている。危険極まりない原発を動かす必要があるのか。
先月末から酷暑に見舞われた東京都心は、最高気温35度以上の猛暑日が8日連続し、1875年の観測開始以降の最長記録を更新した。真夏の昼間は、エアコンなどで電力使用が最も多くなる時期だ。それでも需給は逼迫していない(別表)。2012年に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が追い風になり、太陽光が大貢献している。原発に頼らなくても、この国はやっていけるのだ。
なのに、なぜ必要もないのに安倍政権は原発を再稼働させるのか。
「12年の総選挙で安倍政権が返り咲き、13年2月に安倍首相が施政方針演説で原発再稼働を明言した時点で、福島や東京から離れた九州あるいは北海道の原発を動かすことは決まっていました。3.11の影響が小さかった九州は原発アレルギーが弱く、地元の理解も進んだので、川内が1番手になったのです。安倍首相がトップセールスで売り込んでいる原発輸出ビジネスを軌道に乗せるためには、日本が原発ゼロでは説得力がありませんからね」(経産省関係者)