貝印・遠藤宏治社長<4>岐阜県関市が刃物の町になった理由

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 カミソリや包丁を手がける老舗企業の貝印は、今年、創業110年の節目を迎えた。長い歴史を持つだけに、4年前の2014年には、フランスの「レオナルド・ダ・ヴィンチ賞」も受賞している。この賞は、創業200年を超える家族経営企業の世界的組織「エノキアン協会」から表彰されたもの。

 オーナー経営者が株主で、2世代以上にわたり存続していることが受賞条件だ。日本では虎屋や赤福、月桂冠などが加盟している。これらの企業に共通するのは株式上場をしていないこと。貝印にも過去、証券会社経由で幾度となく株式公開の誘いもあっただろうが、3代目社長の遠藤宏治は一貫して非上場を貫いてきた。

「上場企業になると、やはりパブリックな企業ですので当然、短期的な収益、あるいは株価や株主価値などが優先されます。でも、いまは採算に乗っていなくてもこれはイケるとか、将来この波が来るといった経営者の勘みたいな要素もないと、どの企業も同じようになってしまうと思うのです。幸いにして、貝印と同じような業態はありませんが、一つ一つの分野、カミソリならカミソリ、包丁なら包丁ということで切り出すと、競合には大きな企業もあります。そういうところと同じような視点で事業の峻別をしてしまうと、事業の夢が薄まってしまう。花が咲くかもしれないことに、ある程度リスクをかけるのも経営者のロマンだろうと私は思っていて、数字にあまり束縛されたくないという気持ちもありますね」

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