自民が陥った参院選目前の“三重苦” 1人区に逆風で状況一変
参院選単独でも大丈夫――。自民党は独自調査でそう判断してダブル選を回避するようだが、情勢はどんどん怪しくなっている。
週末15日、岸田政調会長が秋田入り。翌16日は菅官房長官も秋田を訪れた。いずれも参院選のテコ入れだ。秋田選挙区(改選1人区)で自民党から出馬予定の候補者と並び、自民党支持者を前に支援を訴えた。
本来、秋田は自民党調査で「○」の選挙区だった。しかし、防衛省が秋田に配備を予定する「イージス・アショア」(陸上イージス)の調査ミスが発覚し、もはや安泰ではない。焦りもあるのだろう。菅は演説でイージス問題には一切触れず、候補者を一本化した野党の“野合批判”を強調するばかりだった。
17日は岩屋防衛相が秋田に謝罪行脚。しかし、新屋演習場への配備方針は変わらず、県民の怒りは収まりそうにない。
■西日本の1人区も敗北危機に
来月4日の公示“予定日”まで2週間強。参院選を目前にして自民党は今、三重苦に陥っている。「陸上イージス調査ミス」「日米貿易交渉の密約」「2000万円不足の年金問題」だ。