徴用工問題でウィンウィンの妥協案が進展しない理由

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 日韓関係が「戦後最悪」とされる最大の原因が元徴用工問題だ。この問題は、いっこうに着地点が見えない。そこで文在寅政権は妥協案として日本側に「新財団」を提案している。これは、戦時中、日本の工場などで労働をさせられた926人と未提訴の元徴用工、遺族ら全員に韓国政府が財団を通して支援するというもの。韓国の大法院が日本企業2社に、原告32人へ約27億ウオン(約2億4000万円)の慰謝料賠償を命じたことを前提に金額をはじき出すという。

「慰安婦財団」と異なり、韓国政府が全額拠出することになる。文政権としては法的なケジメをつけたうえで、金看板の福祉政策の目玉としたい考えだ。

 これは日本側にとっても悪い話ではない。負担金ゼロのうえに積年の懸案が解決なのだから、ウィンウィンの妙案といえる。

 と思いきや、安倍首相は耳も傾けずに韓国からの提案を蹴って、仲裁委員会設置案にこだわっている。これは韓国側が応じれば、日韓と第三国の委員による仲裁委を発足させ、そこで解決しようというものだが、これまでのいきさつを見れば、過去の清算問題のぶり返しと応酬になり、いいことは何もない。韓国とやり合うことで安倍首相は支持者層にアピールできるかもしれないが、いたずらに混乱を招くだけで、戦争の犠牲者の救済は遠のくばかりだ。だから韓国内で「被害者の苦痛を癒やす努力が足りない」(康京和外相)、「意図的な挑戦だ」(韓国放送)と反発の声が出るのも仕方ない。

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