また天下の愚策 五輪中の宅配「時間指定」中止を政府要請
来夏の東京五輪・パラリンピック期間中の渋滞対策として、政府は大手宅配会社に時間指定の配送サービスの中止などを要請する方針を決めた。
18日、国や東京都、経済団体が都内で開いた「交通輸送円滑化推進会議」で方針が示され、賛同を得た。要請先はヤマト運輸と佐川急便、日本郵便とシェア9割を占める3社を想定。時間指定サービスのほか、再配達の削減、配送時間帯の見直し、共同配送など6項目について個別に対応を求めるというが、チンプンカンプンだ。
なぜなら、時間指定はその時間内に配送しなければいけない点では業者にとって負担だが、配送すればほぼ確実に受け取ってもらえるというメリットもある。中止すれば、配送時不在による再配達件数も増え、かえって渋滞が発生しやすくなるだけだ。
■再配達増やすだけ
ただでさえ、個人向け配送における「不在配送件数」は全宅配件数の約2割、数千億円のコストに相当するともいわれている。東京都などは大会期間中に都心部で交通量を3割削減する目標を掲げているが、五輪のためなら宅配業者にさらなるコスト増を強いるのか。
「そこのけ、そこのけ、五輪が通る」ような大会ならやめた方がいい。