溝口敦
著者のコラム一覧
溝口敦ノンフィクション作家、ジャーナリスト

1942年7月5日生まれ。早大政経卒 徳間書店、博報堂勤務を経て、フリージャーリストに。暴力団や闇の世界に深く食い込んだド迫力ルポには定評がある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞受賞、日本ジャーナリスト会議賞受賞。『暴力団』(2011年)がベストセラーに。

一心会系三瓶組・神部達也若頭射殺事件でささやかれていること

公開日: 更新日:

 1月17日の昼すぎ、六代目山口組直参の能塚恵会長率いる一心会系三瓶組(水戸市)の神部達也若頭が何者かに三瓶組本部で頭などを撃たれ、射殺された。

 実行犯が1人だったのか複数だったのか、何組の誰が殺ったのかを含め、まだ警察発表がなく、詳細は不明である。ただ犯人も神部若頭に足を撃たれ、出血したが、そのまま神部若頭の車を奪い、埼玉まで逃走、車を乗り捨てたことまでは分かっている。

 事件発生当初、下手人は絆会の者だという一報がネットなどで流れた。

 というのは、昨年12月、絆会のA若頭補佐が三瓶組から「お宅の若い者をさらって締めた。ガラを引き取りに来い」という電話を受けた。A若頭補佐は若い者1人だけを連れ、三瓶組に出かけたが、騙し討ちでたちまち数人に囲まれ、ついに「カタギになります」という一筆を書かされた。

 これでA若頭補佐の心は折れ、次の日、神戸市内で開かれた絆会の事始めには不参加だったという。

 こうしたやりとりが事実なら、絆会は一心会系三瓶組にやられたほぼ1カ月後、三瓶組に十分過ぎるほどの返しをしたことになる。それも相手の組事務所に単独で(あるいは少数で)乗り込み、事件の絵図を描いた当の若頭を確実に仕留めた、凄い仕事だと暴力団業界で評判を呼んだ、というのもうなずける。

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