ロシア国防相がプーチン大統領に「マリウポリ完全制圧」報告 今度は東部ドンバスで無差別攻撃
ロシアのショイグ国防相は20日、プーチン大統領に「ロシア軍がウクライナ南東部マリウポリとアゾフスタル製鉄所を完全に解放し、作戦は終了した」と報告した。
これに対して、英国防省の20日付の戦況報告は、ロシア軍はマリウポリの完全掌握後、東部ドンバス地方の攻略作戦を強化する構えだと警告した。
その警告の通り、ドンバス地方の完全制圧を狙うロシア軍は、ルガンスク州のウクライナ政府統治下にある重要都市セベロドネツクに対して連日激しい攻撃を繰り返している。
■ゼレンスキー大統領「東部は地獄だ」
ドネツ川の東に位置するセベロドネツクは、ロシア側支配地域に近く、ルガンスク州での「ウクライナ軍の最後の抵抗拠点」の一つ。ロシア軍が陥落させればルガンスク州全域を抑えるための突破口となる。
セベロドネツクの住民10万人の多くは脱出したが、現在も数千人が市内に残っているとみられており、英メディアは、ロシア軍が病院や民家付近にも砲撃を続けていると現地から報じた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は19日夜のビデオ演説で「ドンバス一帯は完全に破壊された。地獄だ」と無差別攻撃を加えるロシアを強く非難した。