焦るロシア軍が投入した最新兵器「ターミネーター」は切り札か? 装備強力も実力は未知数

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 ダダン・ダン・ダダン──。あの超有名映画のテーマ曲が聞こえてきそうだ。ロシア国営のRIAノーボスチ通信は18日、ロシア軍が戦車支援戦闘車BMPT、別名「ターミネーター」をウクライナ東部に投入したと報じた。劇中のヒト型ロボットさながら、ロシア軍の“救世主”となるのか。

「ターミネーター」は、ロシアがアフガン紛争やチェチェン紛争で対戦車兵器に苦戦した教訓を踏まえ、対人戦や戦車援護用に開発したもの。「戦車と言えばコレ」の主砲がない代わりに、対戦車ミサイルランチャー4基、30ミリ砲とグレネードランチャー各2基、機関銃1基を搭載している。軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう解説する。

「ウクライナに投入されたのは、初期版を改良した『ターミネーター2』です。ロシアの主力戦車『T-72』の車体に強力な装備を搭載しています。対戦車ミサイルは爆発力の大きいサーモバリック爆薬を使用しており、歩兵や塹壕の制圧に有効だと言われています。夜間暗視装置も搭載し、装備はハイスペック。ロシア軍は西側諸国がウクライナ軍に供与している対戦車ミサイルに翻弄され、多くの主力戦車を失っているので、破壊される車両を少しでも減らす狙いでしょう」

「技術上の欠陥はあるかもしれない」

 ロシア軍は過去の紛争の失敗を生かせず、ウクライナ戦争でも戦車1000両を失ったと言われている。そこで“切り札”を出してきたのだが、苦境を打破できるかは疑問だ。

「ターミネーター」はかつてイスラム国との戦闘で試験運用されたが、本格的な実戦投入は今回が初めて。英タイムズ(18日)によると、プーチン政権に近い従軍記者でさえ、「ターミネーター投入」を喜びつつも「技術上の欠陥はあるかもしれないし、どんな性能かは実際に使ってみないと分からないが、これは前進だ!」と微妙な反応だったという。

「歩兵から戦車を守るというコンセプトが、西側の最新兵器を前に発揮できるのかどうか。戦車2~3両につき1両配備が望ましいとされる中、そもそも『ターミネーター2』は20両程度しかないと言われている。一部の戦車部隊にしか配備できません。数少ない最新兵器を投入してくるあたり、ロシア側の焦りが透けます」(世良光弘氏)

 果たしてウクライナ軍が返り討ちにするのか。そうなれば「I'll be back」(また来るぜ)どころか、「ターミネーター」は二度とロシアに戻らない。

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