もはや全ては歴史の闇の中…私が安倍元首相に聞いてみたかったこと
安倍晋三元首相がこんなふうに突然に命を奪われてしまうとは、夢にも思っていなかったので、残念でならない。
というのも、本欄はたまたま、第2次安倍内閣が動き出すのとほぼ同時の2013年の正月明けの週から執筆を始め、以後、日刊ゲンダイの休刊日を除いて毎週書きつづってきたが、そのほとんどは当然のことながら、安倍政権批判だった。
2020年の夏になって連載が380回を超えた頃に、その中から170編ほどを選んで単行本にしようという話が出版社との間でまとまり、「安倍政権時代/空疎な7年8カ月」というタイトルも決まって最終ゲラを送り返したその日の夕方に安倍が辞任表明したので、びっくりしたものだ。
その文中でも何度か述べていることだが、安倍政治の特徴のひとつは多動性の傾向というか、ある時期にあるテーマで大いに盛り上がって「やってる感」を醸すのだが、それをやり遂げないうちにもう別のテーマに飛び移っていて、前のテーマは放ったらかしにするという、極度の移り気である。