総務省文書めぐる岸田首相と高市大臣の支離滅裂答弁を「論戦かみ合わず」で済ますメディアの傍観
「怪文書の類いだ」。28日の参院予算員会で、こう語気を荒げていた高市早苗経済安全保障担当相。立憲民主党の杉尾秀哉議員から、放送法の政治的公平性に関する総務省の行政文書に関する答弁が二転三転している問題について問われると、「偽造、変造という用語は総務省職員に厳し過ぎると考え、捏造とかなり配慮して言った」などと主張した。
3月3日の同委員会質疑で、立憲民主党の小西洋之議員から「(文書が)捏造ではなかったら大臣、議員辞職でよろしいのか」と問われた際、「結構ですよ」と自信満々で答えていた高市氏。その後の総務省の内部調査で「捏造はない」と結論づけられた事実を踏まえ、28日の同委員会では、杉尾氏が改めて閣僚辞任を要求。すると、高市氏は「やましいことがないのに職を辞することはない」と拒否し続け、これまでと同様、頑なな態度は変わらなかった。
およそ1カ月近くに渡って繰り広げられてきた、総務省の行政文書の真偽をめぐる高市氏と野党議員の国会質疑。一部メディアはこの間の高市氏と野党議員のやり取りに触れつつ、「論戦かみ合わず」「両者の主張は平行線のまま」などと報じているが、これまでの質疑をみればかみ合わないのも当然というよりほかない。なぜなら、高市氏の答弁があまりにも支離滅裂だからだ。