米トランプ大統領が「ガザ所有」を唐突に宣言 リゾート開発に意欲みせるおぞましさ

公開日: 更新日:

■「不動産屋的な発想」と識者もバッサリ

 現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏が言う。

「イスラエル首相府が昨年5月、『ガザ2035』なる都市計画を公表しています。ガザを『東地中海のドバイにする』という発想のもと、サウジアラビアが計画を進めるスマートシティー『NEOM(ネオム)』と将来的につなげるといった構想です。イスラエルが勝手に思い描いている計画ですが、この延長線上にトランプ氏の発想はあるのではないか。第1次トランプ政権時代に、トランプ氏の娘婿であるクシュナー氏もガザのリゾート化に言及しています。いわば不動産屋的な発想で好き勝手に言っているに過ぎず、荒唐無稽です」

 そもそも第三者である米国がガザ住民を追い出したり、土地を所有したりできない。やろうとすれば国際法違反だ。

「ネタニヤフ首相やイスラエル国内の極右を除き、誰もトランプ氏の主張を支持しないでしょう。どこまで本気かは分かりませんが、強行しようものならアラブ諸国をはじめ世界中から反発を受けること必至です。当然、同盟国も追随できないし、同調すればテロの危険性が高まる恐れもあります。トランプ氏は国際社会での孤立を深めるばかりです」(宮田律氏)

 不動産屋の“たわ言”で終わればいいのだが。

  ◇  ◇  ◇

 石破首相はガザ地区住民の受け入れに前向きな発言したものの、SNSでは批判が広がっている。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  2. 2

    公明党が自民党総裁選に異例のドーカツ…「ポスト石破」本命の高市早苗氏&小泉進次郎氏に影落とす

  3. 3

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  4. 4

    参政党に自民落選組がワラワラ“大移動”の可能性…「このハゲー!」豊田真由子氏が役員就任の無節操

  5. 5

    小泉進次郎氏を元首相3人&現首相が“雪崩支援”の怪情報…自民党総裁選「ジジ殺し」の本領発揮か

  1. 6

    維新またゴタゴタ…現職代議士3人が藤田執行部に反発し集団離党の「同床異夢」

  2. 7

    社民党参院議員ラサール石井氏に聞く 初の議員生活、芸能活動との両立、任期6年でやりたいこと

  3. 8

    混迷の伊東市政…不信任の田久保市長が“論点ずらし”の議会解散→「悲劇のヒロイン」演出の悪あがき

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    “真打ち”か“客寄せパンダ”か? 総裁選出馬と報じられた小泉進次郎氏に尽きない不安…「知識」「教養」「政治経験」何もナシ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い