著者のコラム一覧
選挙ウォッチャーちだい選挙ウォッチャー

全国の選挙現場を取材、「note」などで報道。「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」を上梓。N国党から名誉毀損で提訴されたが、2024年11月に1審勝訴。

ギャンブラーだからできる大借金と自転車操業

公開日: 更新日:

NHKから国民を守る党」(N国党)は一時とはいえ、国政政党に上り詰めた。党首・立花孝志が天才だからではない。要因を一言で言えば、立花の金銭感覚が狂っていることが大きいだろう。

 2019年の参院選前、立花は支持者らから約1億円を借り入れたが、当時約束した金利は15%。今のご時世、これほど「おいしい投資」はめったにない。有象無象が飛びついた。立花は「返して欲しいと言われたら、いつでも返す」とのたまい、リスクがないような説明をして、「入ってくる政党助成金は億単位になり、返済は可能だ」と強調した。

 そうして借金を参院選に全額投入。全滅した場合の返済リスクは微塵も頭になかった。どうせ他人のカネなんだし、負けたら3年後の参院選でどうにかすると言えばいいだけ。

 無責任な男だからこそできる大ギャンブルだった。

 結果、立花は勝つ。

 惨敗してもおかしくない情勢だったが、選挙戦終盤に京都アニメーション放火殺人事件が発生。犯人が建物内に侵入できたのはNHKが取材中のためだったというデマが流れ、「NHKをぶっ壊す!」をキャッチフレーズにする立花らに猛烈な追い風が吹いた。有史に残る凄惨な事件と、それをめぐるデマがN国党という反社会的カルト集団をモンスターに成長させたのだ。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」