進次郎農相のハイテンション売り口上がアダに…放出備蓄米が想定外の大人気で「7.20参院選」まで持たない

公開日: 更新日:

早ければ6月中にも在庫が尽きる

 問題は、安いコメが国民全般に行き渡るかだ。今年7月から1年間のコメの国内需要は推計633万トン。今回の放出量はその約5%に過ぎない。入手困難で妙なプレミアがつけば、転売目的の買い占めも懸念される。28日の衆院農水委員会で転売対策を聞かれると、進次郎氏は「転売しないようにと付して売り渡す。後はどのような手段を講じるか、さまざまな検討が必要」と言うにとどめた。結局は民間任せで、実に心もとない答弁だ。

 安いコメが手に入らないことへの不満が高まれば、進次郎氏は「需要があれば無制限に出す」と豪語した手前、早晩さらなる備蓄米放出を迫られる。しかし在庫は残り30万トン。スッカラカンになったら、海外から毎年77万トン輸入するミニマムアクセス米の活用も検討しているが、「政府在庫は現状41万トン、うち主食用は7万トン」(農水省農産政策部企画課)だ。もはや弾はほとんど残っていないのだ。

「参院選まで持てばいい、とコメが安くなる現実を有権者に見せつけるはずが、想定外の備蓄米人気で早ければ6月中にも在庫が尽きかねません。7月20日予定の投開票日の頃には、再び高いコメしか店頭に並んでいない可能性もある。場当たり対策が凶と出て、自民の選挙対策には逆効果となり得ます」(斎藤満氏)

 コメ担当大臣の「もってけ泥棒」と言わんばかりの売り口上が災いすれば、ハイテンションの大誤算だ。

  ◇  ◇  ◇

 新たに放出される備蓄米「古古米」「古古古米」は果たしておいしいのか? 創業90年の老舗米穀店に聞くと…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  4. 4

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  5. 5

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  1. 6

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  2. 7

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  3. 8

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  4. 9

    自民・鶴保失言「運のいいことに地震」で苦戦の二階ジュニアに赤信号…参院選“仁義なき紀州戦争”決着か

  5. 10

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  2. 2

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  3. 3

    国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去

  4. 4

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  5. 5

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  1. 6

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 7

    近藤真彦「ヤンチャでいたい」にギョーカイ震撼!田原俊彦をも凌駕する“リアル・ジャイアン”ハラスメント累々

  3. 8

    「モーニングショー」コメンテーター山口真由氏が5週連続欠席…気になる人間関係と体調を心配する声

  4. 9

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

  5. 10

    参政党の躍進は東京、神奈川だけにあらず? 地方では外国人規制に“地元ネタ”織り込み支持拡大狙い