プラごみを鎮痛剤に変える! 英国の教授が開発した“魔法”のような技術で環境負荷も大幅カット
プラごみを鎮痛剤に変換する技術が開発され、「まるで魔法のようだ」と話題になっている。
この画期的な技術を開発したのは英エディンバラ大学化学バイオテクノロジー学部のスティーブン・ウォレス教授(写真)が率いる研究チーム。3段階のプロセスでプラごみを日本では解熱鎮痛剤「カロナール」の主成分として知られるアセトアミノフェンに変換する。
まず、①大腸菌を遺伝子組み換えしてペットボトルに含まれるポリエチレンテレフタレート(PET)を化学的に分解してテレフタル酸を生成。
②これを「ロッセン再配列」と呼ばれる反応でパラアミノ安息香酸(PABA)に変換。
③最後にキノコ由来および土壌細菌由来の酵素を導入した大腸菌を用いて、PABAをアセトアミノフェンに変換。
世界で大量に廃棄されるプラスチックを鎮痛剤にアップサイクルできることに加え、この技術の画期的な点は、炭素排出量がほぼゼロであること。従来の医薬品製造は化石燃料に深く依存するため環境負荷が高いのだ。