日本屈指のメガイベント・甲子園大会の収支は?「全米大学の1%、まだまだ工夫の余地あり」
【Q】8月5日に開幕する第107回全国高校野球選手権、通称「夏の甲子園」。すでに日本全国で地方大会が行われ、球児たちが白熱した勝負を繰り広げている。そこで気になるのが、大会の収支だ。甲子園大会はスポーツ界でも屈指の人気コンテンツで、大会中は連日、多くの観客が詰めかけるが収支はどうなっているのか?
【A】日本高等学校野球連盟(高野連)の2024年度決算報告書によれば、経常収益は約16億1000万円、当期経常増減額、いわゆる黒字幅は約1億7500万円のプラスでした。
収益の約9割にあたる14億円が入場料収益、つまりチケット代で占められています。そのほかグッズやロイヤルティーを合わせて2000万円弱など、収入構造は極めてシンプルです。
注目すべきは放送に関する収入で、決算書上では放映権料の記載はなく、協力金収益として計上されている6300万円が、春は毎日放送、夏は朝日放送による映像使用料に相当すると思われます。全試合を中継するNHKからの収入は記載がなく、実質的に無償提供とみられます。