【新連載】現中日監督の井上一樹が「付き人」に間違えられ…一般人に激怒した夜
「タケニイ」
今季から中日の監督になった井上一樹はオレのことをそう呼ぶ。
若い頃、ずっと二軍で同じ釜の飯を食ってきた3つ下の後輩。カズキは投手として入団してきたこともあり、捕手だったオレとバッテリーを組んだこともあった。
■シーズンオフの会食パーティーで…
可愛い弟分のひとり。二軍の遠征中はいつも同級生の矢野(燿大=1990年ドラフト2位)とカズキの3人で食事に行っていた。いまだに出世していないのはオレだけだ。
4年目のときに入ってきたカズキは礼儀もしっかりしていて、俗にいう“人たらし”みたいなところもあった。みんなからも可愛がられる存在で、若いときからトガっていたオレとは大違い。上に立つ人、上に上がる人は人付き合いも大事だ。
イメージ通り、明るくていいヤツ。でもそんなカズキがグラウンドの外で激怒したことがあった。
あれはまだカズキが1、2年目、オレも少しずつ一軍の試合に出るようになった頃だった。シーズンオフ、名古屋の知り合いの社長さん宅で会食パーティーがあった。一般のお客さんも含めて多くの人が集まる中、ある人がカズキに声をかけた。