随意契約“小泉米”をホメているのは新聞とテレビだけ…専門家の評判はからっきし
「小泉さんの備蓄米放出は、本来的には生活困窮者向けの福祉政策としてやるべきことで、コメ市場の需給調整とは似て非なるもの。それを農業改革とか大上段に振りかざすから、生産者も消費者も混乱するのです」(前出の農水官僚OB)
もっとも、生産者や消費者以上に混乱しているのは、ほかならぬ小泉大臣自身であろう。先に江藤大臣時代に備蓄米を高値でつかまされた流通卸業者は“コメコメ詐欺”に遭ったようなものでカンカンである。
小泉大臣は、税金使ってこの江藤米をいったん買い戻し、再度、小泉米として市場に放出するという。小泉大臣はまた、残すところ30万トン足らずとなった備蓄米を今後は酒や味噌など発酵食品の原材料としても放出するそうだ。さらに米国、タイ、中国などから買い取りを強いられている加工食品や飼料用の輸入米(ミニマムアクセス米)の放出にまで言及している。
「本来国がやるべきことは備蓄米を放出することではなくて、国民に平等にいきわたる物価高騰対策をやること。お米券の配布や現金給付などの対策をせず、備蓄米放出に踏み切っている今の農政に、私は疑問を覚えざるを得ない」