辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?
伊藤孝恵氏にとって“山尾叩き”は渡りに船
もっとも、山尾氏の怒りの矛先は自分を守れなかった玉木代表だけに向けられたものではない。声明文で名指しこそ避けてはいるが、参院選の公認選定や党のマスコミ・ネット対応で権勢を振るう伊藤孝恵参院議員に向けられていたことは、党内では周知の事実だ。
「伊藤さんは玉木代表に対して私(党)を取るか、志桜里さんを取るか」(前出の同党関係者)と二者択一を強く迫り、2カ月間粘りに粘ってきた玉木代表がついに白旗を揚げたのが、公認取り消しまでの大まかな背景である。
実際、伊藤氏は山尾氏の公認問題についてネット番組で「確認書が必要な候補者をお願いして、党を大きくするのが正しいことなのか。私たちの政策にそぐう、何の濁りもなく言える、無名でもいいから、そんな逸材を探してきて、その人たちを仲間にして大きくしていくのが、青い私からするとそういうものかと思っていた」と述べ、玉木代表への不満を漏らしている。
とはいえ伊藤氏はその政策で、女系天皇容認、夫婦別姓、LGBTQの権利保護拡大を掲げる山尾氏に学び、政治活動を共にしてきた面もある。
山尾氏としては、そのかつての同志、仲間の裏切りを許せなかった。
ポスト玉木をうかがう伊藤氏の“野心”については本欄で度々取り上げてきた。2016年参院選で連合愛知の推薦を受け初当選。現在2期目ながら人手不足の党内にあって選対委員長代理、広報委員長の要職を兼務。20年の代表選では新人ながら玉木氏と一騎打ちを演じ、連合組織内候補の支持を得て国会議員票で互角の戦いに持ち込み、注目を集めたものだ。その伊藤氏にとって政治キャリア、政策立案能力で勝る山尾氏の存在は目の上のタンコブ。その意味で渡りに船の“山尾袋叩き”現象だったろう。
伊藤氏は党内で「女王様」扱いだという。恐るべし。(特命記者X)