高市早苗氏が抱えるジレンマ…必ず突っ込まれる「首相でも靖国参拝するのか」にどう答えるのか

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日和れば岩盤保守が逃げていく

 それは本人も分かっているようだが、昨年11月、保守系のインターネット番組で敗因として指摘されると、「そこは自分で反省していないので。また叱られるでしょう」と答えていた。今回の総裁選でも「参拝する」と明言するのか。

「小泉農相も終戦の日に毎年、靖国に参拝しているが、昨年の総裁選では、首相に就いた場合の対応について、『適切な判断が必要なことだ』と曖昧に答えた。今度の総裁選は、自民党から離れた保守層を取り戻す戦いではあるものの、リベラル寄りの『石破票』を含め、幅広い支持層の取り合いになる。小泉さんも加藤財務相を選対本部長にして右へウイングを広げているし、小林元経済安保相は自らを『穏健保守』と言っている。中韓へのハレーションなどを考えたら、高市さんが靖国に参拝すると明言すれば、議員の支持は集まらないだろう」(別の自民党関係者)

 高市氏もウイングを広げるためか、穏健保守路線を求める岸田前首相の事務所に挨拶に出向いた。化粧を“ほんわかメーク”に変え、ソフトイメージを打ち出そうともしている。しかし、高市氏の主要支持層はガチガチの岩盤保守。靖国参拝で日和れば、大事な党員票が逃げていく。

 もっとも、高市氏が師と仰ぐ安倍元首相は第2次政権時、就任1年の2013年末に靖国参拝を強行したものの、米国から「失望」と表明され、その後は参拝しなかった。小泉元首相は毎年のように参拝したが、終戦の日に行ったのは退陣直前の就任5年後だった。外交問題化は必至で「首相になっても参拝」はハードルが高いのだ。

 さて、高市氏は質問にどう答えるのか。

  ◇  ◇  ◇

「ポスト石破」を狙う各議員の思惑や権謀術数については、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで詳しく報じている。

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