「おこめ券」発行団体を悩ます“どれだけ刷るの?”問題…猛プッシュ農水省は「事業者任せ」と他人事

公開日: 更新日:

 おこめ券を発行している2団体のうちの1つ、全国米穀販売事業共済協同組合の担当者は「国には最大限、協力したいのですが」と前置きした上で、こう懸念を示す。

■不評で大量に余れば…

「どれほど発行すればいいのか、予測が非常に難しい。印刷が遅れて在庫が不足する事態は避けたいのですが、もし需要がなければ大量に余ってしまう。さらに、新たな券をつくるので、発行する枚数によって削減できる印刷経費も変わる。刷れば刷るほど経費は削れますが、枚数が少なすぎれば負担は重くなる。自治体への販売価格(477円)は変更しない予定なので、経費がかさめば在庫がさばけても損失が生じてしまうのです」

 もう1つの発行団体、JA全農の担当者も同様の理由から「(損失など)負担がかかることも想定している」と話した。

 一方、猛プッシュする農水省はどこか他人事だ。印刷の計画などについては「事業者に任せている」(農産局穀物課の担当者)とそっけない答え。おこめ券を国策として推しながら、負担や損失が生じれば事業者の自己責任。ちょっと冷たすぎやしないか。

  ◇  ◇  ◇

 悪評だらけのおこめ券については関連記事【もっと読む】【さらに読む】でも詳報している。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  2. 2

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  3. 3

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  4. 4

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  5. 5

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  1. 6

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  4. 9

    維新議員による“身内”への公金支出が次々発覚の異常…「身を切る改革」はどうした!

  5. 10

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲