MLB新コミッショナー就任で強まる日本人投手への“逆風”
MLBのコミッショナー交代で日本人投手は肩身の狭い思いを強いられそうだ。
25日にバド・セリグ氏(80)に代わってコミッショナーに就任したロブ・マンフレッド氏(56)。MLBの収益確保を優先して前任者の拡大路線を踏襲すると明かしているが、大胆な改革も検討。マンフレッド新コミッショナーが真っ先にメスを入れるのが試合時間の短縮だ。
昨年の秋季リーグでは投手の「20秒ルール」を試験的に導入するなど、時短を目的として改革案を相次いで打ち出している。
同コミッショナーは就任直前、スポーツ専門局「ESPN」のインタビューで「極端な守備シフトはなくすべきだとの考え方を否定しない」と発言。ここ数年増えている、一塁側や三塁側の一方に内野手を配置する極端な守備陣形を禁止するとほのめかした。これは内野手を本来の守備位置に固定させて、より攻撃側に有利にするのと同時に、内野陣が移動する時間を削減する狙いもあるという。
極端な守備シフトは制球が安定し、ゴロでアウトを取るタイプの投手に有利とされる。日本人投手では昨季、マリナーズ・岩隈久志(33)、7月に初昇格したカブス・和田毅(33)が恩恵を受けた。昨季の岩隈がエンゼルス・ハミルトン(対戦成績3打数無安打)、アスレチックス・モス(同4打数1安打)ら同地区の主力打者を封じたのはシフトがはまったからだ。
MLBでは今季、マイナーで守備位置を固定させる方針だが、メジャーでも導入されれば日本人投手には死活問題になりかねない。