3年ぶり大学野球日本一 “ボヤキ男”早大・高橋監督の育成術
「日本一になりたかった。本当にうれしい」
14日、全日本大学野球選手権で3年ぶり5度目の優勝を果たした早大の高橋広監督(60)が感激の面持ちでこう言った。
決勝の相手は流通経済大(茨城)。1-3の七回に一挙5得点で逆転すると、そのまま逃げ切った。早大は春のリーグ戦に続く2冠。投手は2年生エースの大竹を筆頭に、浦和学院高でセンバツ優勝投手となった小島(1年)と下級生がフル回転すれば、野手は今秋ドラフト候補の茂木(4年)、丸子(4年)ら上級生がチームを牽引している。
高橋監督は就任1年目での戴冠。早大卒業後の77年から鳴門工(現鳴門渦潮高)に教員として赴任。80年に野球部監督に就任し、昨年限りで退職するまで34年間、同校を指揮して、甲子園には春夏通じて8度出場している。早大OBが言う。
「大学時代以来、約40年ぶりの東京生活で単身赴任とあって、『人混みが苦手』とか『東京は食費が高い』などとボヤくことしきりですが、本業では大学3年間でわずかリーグ通算2安打だった丸子を今年春のリーグ戦全試合で4番に抜てき。首位打者を獲得させるなど、なかなか芽が出なかった選手を本格化させた。前任の岡村猛監督がコツコツと野球部を立て直して土台を作ったところに、高橋監督がスパイスを加え、実を結んだと思う」
早大の黄金時代が再び始まるのか。