本人は気づかず打撃 医者が驚いた清宮幸太郎「2度の腰骨折」
強靱な肉体と精神を持つ幸太郎だからこその逸話である。
■ベンチにいながら配球をズバズバ言い当てる
話を戻そう。幸太郎は医師から二者択一を迫られた。痛くても野球をやる分には構わない。ただ、将来的に折れた箇所にしこりが残るかもしれない。それがイヤなら完治させるまで休養するか――。
父・克幸さん(48)も交えた調布シニアの安羅岡一樹監督(52)との面談で幸太郎は、「6カ月間で完全に治したい」と、治療に専念することを決断する。
その際、安羅岡監督は“注文”をつけた。
「リハビリに専念するのはいい。でも、お前がケガをしたからといって一人でやるんじゃなく、チームなんだから、とにかく練習に来て顔を見せろ」
走ることはおろか、スイングすら出来ない日々。それでも、やる気をなくしたり、ふてくされたようなそぶりは一切見せなかった。グラウンドの片隅でチームメートが練習するのを横目に、体幹練習を中心に黙々とリハビリメニューをこなした。