消化試合でも投手に「10勝」狙わせるソフトB工藤監督の真意

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 4年ぶりの2ケタ勝利はあっけなく遠のいた。

 ソフトバンク寺原隼人(31)が29日の楽天戦に先発。今季9勝目を狙ったものの、3回5失点で3敗目。

 残りは5試合だけに、11年以来4年ぶりとなる自身3度目のシーズン2ケタ勝利は絶望的となった。

 10勝は先発投手にとって大きな目標の一つ。この日の登板は、工藤監督が「2ケタ勝利を達成させたい」と与えたチャンスだっただけに、期待に応えられなかった寺原は無念だったに違いない。

 とはいえ、ソフトバンクは9月17日にリーグ優勝を決め、今は消化試合の真っただ中。そんな試合で仮に8勝、9勝の投手が白星を上積みして2ケタに到達したところで、大きな価値があるのだろうか。

 評論家の高橋善正氏は「一見すれば価値がないように見えますが、実は大きな意味がある」とこう話す。

「投手にとってシーズンの勝利数が1ケタで終わるのと2ケタ到達で終わるのとでは、満足感や周囲の評価が全く違う。たとえ10勝のうち消化試合での勝利が3勝あったとしても、10勝は10勝ですから。投手にとってはその後の野球人生の自信にもなる。工藤監督は長年の現役生活で9勝と10勝の差をよく理解しているのでしょう。だからこそ、10勝に到達可能な投手には2ケタに挑戦させていると思う。パ・リーグ史上最速優勝を果たしたからこそできる余裕の起用法なのは言うまでもありませんが」

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