早計すぎるIOC 「野球賭博」問題は追加種目に影響なしの見解

公開日: 更新日:

 2020年東京五輪の準備状況を確認する国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会の事務折衝が、14日終了。IOCのコーツ調整委員長は、5日に発覚した巨人の選手による野球賭博問題に関して「違法賭博は全く容認できない」としながらも、「1人の選手のことで組織的ではない」と、追加種目の選定には影響しないとの見解を示した。

 しかし実態の解明に向け、現在、日本野球機構調査委員会が八百長があったかどうかも含めて、詳しい調査を始めたばかり。野球賭博に関わった福田聡志(32)と笠原将生(24)は謹慎処分中だが、今後の調査結果次第では球団による法的措置も検討されている。それが調査も済まないうちから「組織的ではない」とは、あまりにも早計だ。

 今回の事件は氷山の一角である可能性もまだ残されている。一選手の問題にとどまらず、組織的に行われた「第2の黒い霧事件」に発展するかもしれないのだ。

 ましてや野球賭博は暴力団組織の重要な資金源であり、その額は数十億円にのぼるともいわれている。五輪大会の裏で莫大なカネが動くことだって考えられる。JOCの平岡専務理事は「IOCは差別やギャンブル、賭博、ドーピングの不正を許さない」と言っていたが、口先だけか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性