角界の“見えない狂気” 元熊ケ谷親方初公判で改めて浮き彫り

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 なぜ、逃げなかったのか。その疑問が真っ先に浮かぶ。

 16日に東京地裁で行われた宮城野部屋に所属していた元熊ケ谷親方(元十両金親)の初公判。一般人のマネジャーを金づちで殴ったなどとして傷害罪に問われていた。

 元熊ケ谷親方は「間違いありません」と起訴内容を全面的に認めたが、その常軌を逸した暴力は「傷害」という言葉では物足りない。当初は罰金や罵声だったのが、指とツメの間に針を刺す、金づちで全身を殴打するといった狂気の所業にエスカレートした。元マネジャーの体は下半身を中心に紫色に腫れあがっていたから、「半殺し」と言っても過言ではない。

 しかし、そこに至るまで、逃げようと思うこともあったのではないか。元マネジャーは「自分が逃げたら、宮城野部屋や(所属する)横綱白鵬関に迷惑がかかる」と告白。親方も「辞めるんなら、全員に迷惑をかけて辞めるんだな」と、暴力団まがいの脅し文句を浴びせていた。

 それでも命には代えられないはず。角界には見えない鎖があるとでもいうのか。

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